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2012年2月

2012年2月28日 (火)

民主党と自民党~同床異夢~

 

「社会保障と税の一体改革」の議論が進まない。
与野党の間では、政策の内容よりもその進め方で議論しているようだ。
自民党も消費税を上げることを考えているにも関わらず、まず国会を解散すべきだとか、与党内で合意がとれていないとか、進め方で政府を責めている。

あたかも、同じ部屋にはいるのに、民主党は、「こっちの扉から入るべきだ」と言い、自民党は「いや、別のあっちの扉から入るべきだ」と言い合っている。
そのため、部屋に入って、本題を議論できない状況になっている。

自民党も、政策では民主党とそんなに差異がない。
そのため、お互い進め方で互いを非難している。
だから本質的な議論ができない。
時間だけが過ぎていく。

さらに分かりにくいのは、民主党にしろ、自民党にしろ、党内が賛否両方を党内に抱えている。

米国の民主党と共和党だと、分かりやすい。
大きな政府か、小さな政府か。
自由市場経済に規制をかけるべきか、規制はできるだけ省くべきか。
低中間層・労働者優先か、高額所得者・企業優先か。

米国の政党政治の仕組みが全ていいとは思わないが、どちらの政党が自分の意見に近いかは、判断しやすい。

日本の場合、どうだろうか。

「社会保障と税の一体改革」に賛成か反対か。
TPP交渉参加に賛成か反対か。
原発廃止に賛成か反対か。

それが民主党内、自民党内に渾然としている。
党としての主義がない。
そのため日本の政治を一層、分かりにくくしている。

2012年2月26日 (日)

たけしのニッポン人白書.~不安因子~

 

2月24日(土)21時からのフジテレビ「たけしのニッポン人白書.」。

日本人は、他の民族に比べて、不安を感じやすい人が多いらしい。

番組で29か国90人に体験実験してもらったところ、白人23%。アフリカ系黒人37%、日本人90%が不安を感じた。
被験者の遺伝子を調べたら、不安因子の遺伝子を持つ人が、白人61%、アフリカ系黒人43%、日本人90%
世界的な学術調査によると、不安を感じやすい傾向のある人の割合は、白人64%、アフリカ系黒人32%、日本人97%

日本人は、他の民族に比べて、遺伝子に不安因子が多いらしい。

「不安」という心理は、どういう行動に出るか。
番組では、人間関係を大事にする、集団で行動する、高品質の製品を作るという行動を紹介したが、他にも以下が考えられる。

・ チャレンジしない

新しいことを試みると、失敗するかもと、思う。
新しいことを試みた結果、どうなるか分からない。
その心理が働き、リスクを取ってまで、チャレンジしない。

・ 貯蓄率が高い

「リスクを取らない」にも通じるが、日本では貯蓄率が高い。
家や自動車を買ったり、教育費のため、海外旅行のため、お金を貯める。
それ以上に、もしもの時のため、老後のため、預貯金する。
将来に不安があるから、預貯金する。
海外では投資する場合でも、日本人は預貯金する。

・ランク付けが好き

番組では、日本そのものをランク付けしていた。
このランク付けそのものも、「不安」心理の現れかもしれない。
自分の立ち位置が分からないと不安になる。
だからランク付けすることで、自分の立ち位置、居場所を確認する。

・ 自殺率が高い

残念なことに、日本では毎年3万人以上の方々が、自ら命を落とす。
その原因は様々だろう。
失業、病気、看病や介護疲れ、これ以上生きていると周りに迷惑をかけてしまう、など。
将来に悲観し、不安になって命を落とす方が多いと思う。

全部を遺伝子のせいにすることには問題があるが、一概に否定できない。

ところで白人は遺伝子レベルでみると、60%以上なのに、番組で行った実験では23%だった。
アフリカ系黒人と、日本人とでは番組で行った実験と遺伝子レベルとの間では、不安を感じる割合の差はあまりない。
それなのに白人の場合、不安を感じる人の割合は、遺伝子レベルと実験との間で大きく異なる。

これはなぜだろうか。
番組ではその理由を解説していなかった。

さまざまな原因があるだろうが、もしかしたら西欧人がキリスト教という、よりどころがあるからかもしれない。
西洋人は、苦しいとき、辛いとき、不安なとき、神を信じるという方法を知っている。
西洋人は、不安を解消する術を知っているのかもしれない。

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今の日本人の性格が、遺伝子で形成されているかもしれないが、自然環境も今の日本人を形作っていると思う。

「恐怖」は、恐ろしい、怖いと思う対象がはっきりしている。
「不安」は、対象が明確でない。
ただ漠然と、心が不安定になる。

特に地震は日本人の資質に影響を与えていると思う。

地震が起きると、「恐怖」を感じる。
その地震が、いつかは必ず起きることを、日本人は知っている。

それなのに地震は、いつ起きるか、誰も知らない。
日本人の深層心理の中に、「不安」がいつもあるかもしれない。

番組では、日本人を遺伝子レベルで調べていた。
それも日本人を解明するための一つの方法だろう。
ただそうだとしても、自然環境、社会、宗教、文化、産業、生活、海外との関係、そういうものが複合的に合わさって、今の日本人がいる。

 

2012年2月24日 (金)

「イザベラ・バードの日本紀行」~その2~

 
前回に引き続き、

「イザベラ・バードの日本紀行(上・下)」(講談社学術文庫)

から、当時の日本について気が付いた所。

・見かけないもの

今でもどうだが、近代化された国から来た人が、貧しい国に訪れた時、かならず見かけるものがある。
好奇心のある彼女のことだから、当然、大きな町にある貧しい人々が多く住む地区も歩いているはずだ。

浮浪者の記述はある。

それでも、治安が悪い地区があるという記述がない。
貧民街や、阿片窟の記述がない。
ストリート・チルドレンを見かけたという記述がない。

これはいったい、どういう意味を持つのだろうか。

・偽造食品

当時の日本には、西洋から様々な物品が入ってきた。
店に売ってある、コンデンス・ミルク、レモン・シュガー、コニャック、濃縮コーヒー。

「事実を語るべきとするなら、貪欲さのせいで日本人は厚顔無恥なペテン師となっているのです。外国製食料、飲料として売られているものの半分は実に不快で有害なくずで、東京かどこかでつくられ、~中略~老舗の名前やラベルをつけた瓶に詰めて売り出されるのです。」(「イザベラ・バードの日本紀行(上)」講談社学術文庫ページ285)。

当時は偽造食品が出回っていた。
近代化の闇の部分だろう。

今は中国での偽造食品や違法コピー問題が出ているが、昔の日本もそうだった。

それでも日本は改善してきた。
今は「日本」という名前自体がブランド力を持っている。

・教育制度

「イザベラ・バードの日本紀行」の最終章「日本の現状」で、イザベラ・バードは当時の日本の教育制度に多くのページを割いている。
女性として育児や教育にことさら興味があったのだろう。

当時の日本の教育制度については、まだまだ不十分なところはあるが、

「日本は初等学校に海軍の二倍の費用をかけていること、最良の規範に基づいて教育制度を築きたいという願望、欠点を是正し失敗から学ぶ心意気、全階級の人々が教育を受けられるようにしようとする気高い努力という点できわめて高く評価されるべきである」。」(「イザベラ・バードの日本紀行(上)」講談社学術文庫ページ394)。

そして当時の願望、心意気、気高い努力は今も引き継がれていると思う。
そしてそれが、日本が貧しい国々を支援できる分野ではないだろうか。

・キリスト教が判断基準

日本人の宗教観を、キリスト教を基準として批評している。
教義がない神教、衰退した仏教。
日本人は迷信に惑わされている。

彼女は、日本人には宗教がないから、真実を知らない、と思っている。
日本人がキリスト教の教義に従えば、心が豊かになると、断定している。
彼女に同意できないところもあるが、それは彼女の宗教心が篤いためだろう。

それでも、当時の日本人の倫理観、優しさは感心している。
日本人は無宗教といいながら、彼女は日本人の倫理観がどこからきているのか、結局、分からずじまいだった。

ただ信仰心が篤い彼女でも、キリスト教が全て善とは言っていない。
キリスト教でも様々な宗派に分かれている。
その宗派間で確執があり、彼女はそれは困ったことだと、考えている。

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世の中には、昔に比べて今の日本人を批判する意見もある。
失われたものも多くある。

それでも「イザベラ・バードの日本紀行」を読んでみると、日本の精神性は今でも多く引き継がれていると思う。
しかも生活は格段に良くなっている。

いたずらに今の生活や社会に対し不平や不満を言うことが、どれほど贅沢なことか、気が付く。

~おしまい~

2012年2月22日 (水)

「イザベラ・バードの日本紀行」~その1~

 

明治11年、一人の英国人女性が日本を旅した。

「イザベラ・バードの日本紀行(上・下)」(講談社学術文庫)

上巻では、一人の日本人を通訳に雇って、ある時は人力車、ある時は馬に乗って、ある時は徒歩で、東北地方、北海道を旅している。

ノミや蚊に悩まされ、野次馬に辟易し、高温多湿にうんざりし、道なき道を、時にはけがをしながら旅している。
不平不満や文句が、文中のいたるところでみかける。
もっと楽な道を通ればいいのに、わざわざ辛いルートを選んで旅をしている。

不平不満や文句を言いながら、旅を楽しんでいることが分かる。

当時の日本人の親切さ、礼儀正しさについては、様々なところで述べられている。
ここでは、その他に、当時の日本について気が付いた所。

・郵便制度

「イザベラ・バードの日本紀行」は、英国の妹宛の手紙をまとめたものだ。
イザベラ・バードは訪れた先々で手紙を書いている。
辺鄙な地方で書いた手紙をたぶん、訪れた新潟や会津、山形などの地方都市にある郵便局から英国宛に送ったのだろう。

前島密が郵便制度を整備し始めたのは、明治4年。
イザベラ・バードが旅したのは明治11年。
北海道はまだ郵便制度は完全に敷かれていなかった。

それなのに、地方発送の郵便が、船を使って英国まで届いている。
江戸時代の駅逓や飛脚の仕組みが機能していたからだろう。
それが明治時代の郵便制度に引き継がれた。
当時の近代的仕組みを動かそうという、日本人の想いを感じる。

・軍艦より、道路を

そうはいっても、地方は道も整備されていない。
辺鄙なところは貧しい生活をしている。
衛生状態も悪く、住民は皮膚病や眼病を患っていたりしている。
その原因の一つに、イザベラ。バードは道が整備されていないことを挙げている。
道が整備されていないと、物流も滞り、情報も入らず、半ば隔離状態になってしまう。

道路が整備され、物資の交流も盛んになり、知識も入るようになる、。
イザベラ・バードは、日本政府に、軍艦を作るよりも、道路を整備する方が大事だと言っている。

今でいえば、軍備拡張に走るより、道路・鉄道、電気・ガス・水道、通信などの社会インフラを優先することを意味する。
それが、国民の生活水準向上に結びつく。

・日本食

イザベラ・バードは少しの食糧しか持ち歩かなかった。
ほとんどの食事は、現地で調達していた。
彼女は、黄色い汁、匂いのする大根に辟易した。
たぶん、黄色い汁とは味噌汁で、匂いのする大根はタクアンのことだろう。

素朴な和食は、彼女の口に合わなかったようだ。

今は寿司や豆腐ばかりでなく、味噌汁も世界中で人気だが、当時の日本食は西洋人の口に合わなかったのかもしれない。

日本食が変わったのか、西洋人の味覚が変わったのか。

~続く~

2012年2月20日 (月)

タフチョイス~その4~

~続き~

前回に引き続き、2月12日(月)夜8時からNHK BS1

ダボス会議2012「タフチョイス 危機の中の究極の選択」

から印象に残った言葉。
発言順不同です。

・「リーダーが情報を求めている、率先して動いているということを人々に知らせないといけません。
そうすれば情報が周りから上がってきます。」(ゴーン社長)

仕事の仕方でよく聞く言葉に、「報・連・相」がある。
上司に「報告、連絡、相談」しましょうと、言うことだ。

ところが上司が、席にふんぞり返っているだけでは情報は集まらない。
上司が部下の「報・連・相」に無関心だと、部下は「報・連・相」などしない。

上司は、「報・連・相」に関心を持つ。
それに反応する。
上司の反応の仕方によって、部下は、上司がどんなことに関心を持ち、何を重視しているかが分かる。
そうすると、部下はどんなことを上司に「報・連・相」すべきかが、分かってくる。
的確な「報・連・相」となる。

・「トップというのは誰なのか、形式的なトップではなくて、実質的に情報が集約されてリーダーシップを発揮している人である。
日頃からどのチームにおいては誰が実質的なトップのリーダシップを発揮していのか、ということの把握していること。」(枝野経産相)

他部門の担当者に、通常の業務と異なる仕事を頼むとき、まず相手方の担当者の上司の了解を得る。
他部門にとって、その仕事を引き受けるということは、その部門の予算や、時間を費やすことになる。
そのため、部門の予算や、社員の勤務を管理する上司の了解が必要になる。

通常だったらそれでもいい、
非常時の場合は、そうは言っていられない。

リーダーが持つ業務知識は、担当者に比べて少ない場合がある。
管理職は、人事異動で他部門から異動してきた場合もある。

情報分析と原因究明、事態の把握と理解、今後の事態の推移と影響、最少のリスクと最大の効果を導く迅速な対策の発案は、担当者が的確な場合がある。
いちいち管理職を通していたら、間に合わない。

・「分からない時はは分からないということ。それだけでは終わらず24時間以内、48時間以内には状況を報告しますと言うべきです。
悪いニュースよりもニュースがない方が悪いのです。」
 「悪い事態にもなりうると、伝えなければなりません。(ゴーン社長)

これは勇気がいること。

「分からない」といったら、自分の能力を疑われるかもしれない。
非難されるかもしれない。
悪い事態を伝えると、パニックが起こるかもしれない。

恐怖を覚えるだろう。

それに打ち勝つためには、どうすればいいか。

家庭であれば、家族を信用し、信頼すること。
会社であれば、従業員を信用し、信頼すること。
総理大臣であれば、国民を信用し、信頼すること。

 

10年前、危機に直面した日産を再生し、震災の時、他の自動車メーカーに先駆けて生産を再開した実績のあるゴーン社長が、番組の最後に、危機に直面したリーダーの心構えをまとめていた。

・「心をオープンにして、目標を定め、落ち着いて、前向きでいること。
 そうすれば危機は乗り越えられます。」(ゴーン社長)

~おしまい~

2012年2月19日 (日)

タフチョイス~その3~

~続き~

前回に引き続き、2月12日(月)夜8時からNHK BS1

ダボス会議2012「タフチョイス 危機の中の究極の選択」

から印象に残った言葉。
発言順不同です。

・「現場が一番情報を持っています。
現場の人間に決定権を与えるのです。」(ゴーン社長)

管理職は実務の知識はそれほど持っていない。
実務の知識を一番持っているところは現場だ。
管理職が持っているのは、人脈だったりする。

管理職は、現場からの情報をもとに、何が足りて、何が不足しているかを知る。
余っているものがあれば、人脈を通じて、不足しているところに余っているものを送る。
不足しているものがあれば、人脈を駆使して、余っているところから融通してもらう。
管理職は、調整能力も必要だ。

・「それぞれ自分の過去の経験の中で判断をしようとしかけたところがあります。
過去の歴史の中に教訓となるものはないか。過去の危機に立たされたリーダーの様々な判断に参考となるものはないか。」(枝野経産相)

過去の危機に立たされたリーダーとは、誰だろうか。

大恐慌時代の米国ルーズベルト。
日中戦争、国共内戦の時の毛沢東。
第二次世界大戦当時の英国チャーチル。
終戦後の吉田茂。

・「一つの目標を選ぶ。危機の際に何かの決断をした人が人々から賞賛されるのを一度も見たことがありません。リーダーとは決断がどんなものであろうと批判されるものなのです。
これは覚悟しないといけません。ですからリーダーとは精神的に非常に安定していることが大切です。」(ゴーン社長)

リーダーの周りには、意見が合わない人や、利害関係者が必ずいる。
判断した結果が正しかったとしても、必ず批判する人がいる。
結果に対し、得する人もいれば、損をする人もいる。
80%満足した結果が出ても、90%、100%を求める人がいる。
「こうすれば、もっと正しい結果が出たはずだ。」と、思う人もいる。

最終的に判断する基準は、ゴーン社長が言っている、「自分の直感と価値観」であったり、デュプロー社長の「常識」なのかもしれない。
あるいは、サンデル教授がテーマとする、「正義とは何か」が、判断の基準になるかもしれない。

・「この事象が歴史になったときに、どういう風に受け止められるんだろうか、その時の人々が、『なるほどあの局面では、こういう選択がやむを得ない選択だった』というような評価されるとすれば、どういう選択なのか。」(枝野経産相)

「将来、どう評価されるか」ということを想像することは、難しい。

徳川慶喜が、大政奉還を決断したとき。
吉田茂が、サンフランシスコ平和条約を締結すると決断したとき。
岸信介が、日米安保条約を調印すると決断したとき。

「社会改革と税の一体改革」、「TPP交渉参加問題」、「沖縄米軍基地問題」。
10年後、20年後、もっと先の人々にとって、公益となるような結果になること。
今、それを決断するとき。

~続く~

2012年2月18日 (土)

タフチョイス~その2~

~続き~

前回に引き続き、2月12日(月)夜8時からNHK BS1

ダボス会議2012「タフチョイス 危機の中の究極の選択」

から印象に残った言葉。
発言順不同です、

・「柔軟性も重要です。常識に従って計画を立て、実行し、コミュニケーションをとること。そして適任者に権限を与えることが大切だと思います。
常識が大切です。常識に基づいた自分の直感を信じるしかないのです。」(デュプロー社長)

ゴーン社長は、「直感と自分の価値観」と言った言葉に意外だったが、デュプロー社長の「常識」も意外だ。
ビジネスの世界だと、「常識にとらわれてはいけない」、とか「発想を転換しろ」とか言うけれど、非常時には常識で考えろということか。
原発事故の場合、常識にとらわれては、解決が難しい場合がある。
今まで想定したいないことが起きた場合、大胆な発想をしなければならないと思うのだが。

・「人の話を聞く能力も必要です。入手できる全ての情報を集め、コミュニケーションを繰り返すことが重要です。相手の話が真実かどうか、見分ける力も必要です。人の心を読む力です。」(デュプロー社長)
・「それぞれの職務分担が明確な組織において、それぞれ批判をされないように動くという心理が動く。
    『直接、君に質問する。君は正直に言いたまえ。
     
そのことによって特に責任を問うことはない。』
 人は保身的になるので、それを理解する。」(田坂元内閣官房参)
・「普段から、懲罰を恐れるのではなく、率直に意見を述べられるようにすることです。」(ゴーン社長)

実はこれは、日々の生活の中でもある。

子供が学校のテスト結果を持って帰ってきた。
赤点だった。
その時、親はどう反応するか。
「だから勉強しなさいと言っているでしょ!」
「勉強しないから、こんなことになるのよ!」
「駄目じゃないの!」
(子供を叱るという場面では、どうも母親言葉になってしまう。)

毎回、子供を叱ってばっかりいると、やがて子供はテスト結果を親に見せないようになる。
その場を取り繕うと、嘘をつくようになる。
たとえ最後にはばれることになっても、その場をなんとかやり過ごそうとする。

そうなると、モノを壊したり、友達を傷つけたりしても、親に言わなかったりする。

どうすればいいか。

子供も、悪い点数だと、意気消沈して、自分を責めている場合がある。
子供が学校のテスト結果を持って帰ってきても、親は子供と一緒に悩む。
これからどうすればいいかを、一緒に考える。

実は、会社でもリーダーはメンバーに対して、日頃そのように接する。
そうすれば、危機に直面したときでも、正確な情報がリーダーに上がってくる。

・「国民が見ているのは、何を語っているかではない。誰が語っているか。この人物は信用できるか、信頼できるか。」(田坂元内閣官房参)

就職試験の時、面接官は希望者が語っている内容以上に、その時の声の張り、表情、態度を見ている。
希望者が正面を見ているか。
大きな声で、はっきりと発言しているか。
表情や態度が落ち着いているか。

希望者がそつのない応答をしたからといって、単純に信用できない。
質問に対しては、知識で補える。
人間性は、回答の仕方、表情、態度に表れる。

仕事でプレゼンテーションをしたり、聞いたりするときがある。
そういうとき、プレゼンテーションの内容がどれほどよくても、プレゼンターの声が小さく、下ばっかり見てると、聴衆は眠たくなってくる。
人間性を信用できないと、その人の発言も信用できなくなる。

・「私自身が常に冷静でいること、落ち着いていること、落ち着いていることが伝わるように話すこと。」(枝野経産相)。

当時の管前首相はどうだったのだろうか。
リーダーが激高し、部下に詰問し、叱責し、強要した場合、部下は委縮する。
部下は、思考停止し、自主的に行動することをやめ、指示待ちになる。

~続く~

2012年2月15日 (水)

タフチョイス~その1~

 

2月12日(月)夜8時からNHK BS1で、ダボス会議の特集があった。
タイトルは、
ダボス会議2012「タフチョイス 危機の中の究極の選択」

NHK主催のパネルディスカッションで、NHKのキャスターが進行役となり、パネラーは
僕が好きなカルロス・ゴーン日産自動車社長。
タイ大洪水の折り、対策の陣頭指揮を執ったキティラット・タイ副首相。
国際的ファイナンシャル・アドバイザー、リスク・マネージメントの専門家であるデュプローMMC社長。
番組の前半に東日本大震災当時、管元首相のブレーンだった田坂元内閣官房参与。
番組の後半は、当時の官房長官だった枝野経済相。

非常時や危機に直面した時、リーダーはどういうう心構えで、どう行動すべきか。
評論家でなく、当事者の生の声を聞くことができた。
その中で、印象に残った言葉の数々。
発言順不同です、

・「何か決断をしなければならないときには、過去の経験から学んでいきたい。
それがたとえ間違った決断だったとしても」(キティラット副首相)

決断しないことが一番の弊害である。
何も決断しなければ、事態はますます悪化する。
それは災害や戦争などの突発的な危機の時ばかりでない。
今、日本が直面している社会保険改革やTPP交渉参加にも言える。
 

・「まわりの人の意見がみんな同じ時も、要注意です。みんな私が喜びそうなことを言っているだけだからです。」(ゴーン社長)

リーダーに心地よい情報しか上がってこない場合、リーダーは誤った判断をしてしまう。
リーダーは裸の王様になってしまう。
独裁国家はそうなる傾向にあるし、身近にもオリンパスや大王製紙の不祥事もそういうことがあったのではないだろうか。

・「タフチョイスは混沌とした不確かな状況や対立した意見の中から生まれます。最後には自分の価値観と直感を信じて決断するしかないのです。」(ゴーン社長)
・「今何をするべきか、決断します。何が最優先か、どう動くかです。まずは現場の話をよく聞き、素早く判断し、後は祈ります。祈るしかないのですが、結局そういうときに頼りにできるのは自分の価値観なのです。」(ゴーン社長)

最後は「祈るしかない」とは意外だった。
そういえば、諺にも同じような意味の言葉がある。
「人事を尽くして天命を待つ」

現場の情報を聞き、判断し、指示する。
そして結果を待つ。
その時、頼りになるのは自分の価値観、拠りどころなのだろう。
政治にとっては、「国民の生命と財産」だろうし、ビジネスでは「顧客第一」だろう。
企業でも存続の危機に遭遇したとき、トップはどう判断するか。

・日頃政治家としていろんな利害とかいろな配慮とかもやむなくしているわけですけども、そういった日頃考えて気にしなきゃらないことは全て捨てなきゃらなないような大きな事態なんだ。(枝野経産相)
・一人でも多くの人の命を救う、一人でも多くの人の原発事故による影響を生じさせないようにする、という唯一の基準はそこであって、それ以外のことはあらゆることは捨てなければならない。(枝野経産相)

東京電力にとっての価値感とは何なのだろうか。

避難した人々や、風評被害に逢った人々への生活の保障だろうか。
国民の健康だろうか。
東京電力契約者への電力安定供給だろうか、
それとも、東京電力という企業の存続だろうか。

枝野経産省の東京電力に対する態度は、ここに述べられている枝野経済相の基準に基づいているのだろう。

・「決断力は訓練すれば伸ばせるものなのです。過去の経験から学ぶことです。」(デュプロー社長

もう一つ大事なのは、シミュレーションすることだろう。
イメージトレーニングと言ってもいい。
企業から顧客情報が漏れた時、どう対処すべきか。
事故を起こした時、どう対処すべきか。
不祥事を起こした時、どう対処すべきか。
実施訓練できない場合、机上でもいい。
「こういう時、こう対処すべき」とシナリオができていれば、考えたり、迷ったりする時間を大幅に短縮できる。

~続く~

2012年2月13日 (月)

天皇陛下の手術にあたって

 

昔、日本には上皇がいた。
天皇が皇位を後継者に譲り、本人は公務を行わない。
皇位を譲る理由は様々だっただろう。
病気になったり、高齢になったりして、公務ができなくなった。
あるいは天変地異が起き、人心を一新するため、元号を変えたり、退位する
後鳥羽上皇や崇徳上皇が有名どころか。

明治以前は、珍しいことではなかった。

今度、今上天皇が心臓手術を受けられる。
78歳のご高齢だ。
一般人であれば、隠居生活をしていてもおかしくない。
年金で生活している年齢だ。

天皇は国会召集や大臣任命、国賓との交流などのお仕事をされている。
その他に、全国の様々な行事に参加されたり、被災地を慰問されたりする。
宮中祭祀も重要なお仕事だ。

天皇の年齢と体調を考えると、心配でしかたがない。
ここはひとつ、皇太子に皇位を継承できないものだろうか。

上皇となられても、折に触れ宮中祭祀をされるのもいい。
少なくも、国会関連、外交関連や全国で行う行事は控えられてはいかがだろうか。

今のままの公務を一人の天皇に全部負わせるのは、国民として申し訳ないことだと思う。
それは天皇に対する思いというだけでなく、一人の高齢者に対する思いでもある。

 

2012年2月11日 (土)

母子健康手帳とビジネスモデル

 

母子健康手帳というものがある。
妊娠すると、自治体から母親に与えられる。
妊娠中の母子の健康状態。
出産後の幼児の身長・体重の推移。
幼児の健康状態。
その他、子育てのヒントや気を付けなければならないこと。
そして様々な医療サービスを受けることができる。

日本が子供を大切にしている証だ。
日本の幼児死亡率の改善にどれほど貢献しているだろう。

日本の母子健康手帳の仕組みを、特定非営利活動法人HANDSが主体となって広げている。

日本の母子健康手帳の仕組みが、東南アジア、南アジア、アフリカなどの貧しい国々に広がっている。
これら地域は、生活環境もよくなく、死産や幼児死亡率が高い。
妊娠中から、母体の健康状態を維持し、出産後も栄養不足や感染症を予防することができる。

ただ、それだけでは十分ではない。

・医療政策の改善

母子健康手帳に記入されている情報は、生活改善のための情報の宝庫だ。
この中には、国民がどのような状態なのか、衛生状態を改善するためにはどうすればいいか、どのような医療機関が必要か、情報の宝庫だ。

・ 識字率向上

母子健康手帳には医療機関が記入する項目が多い。
母親は母子健康手帳に記入された医者の助言を読む必要がある。
ところが貧しい国では、識字率が低い。
特に女性は、教育を受けられない国々がある。
母親は、子供の健康状態や、悩み事を書くこともできない。
母親が読み書きできるよう、教育が大事になる。

・ 医療機関のネットワーク化

国土が広く、医療機関も点在する国々では医療機関のネットワークは、脆弱だろう。
その医療機関がネットワークされれば、感染症の拡大を防止したり、生活環境の改善のための情報共有をしたり、様々な薬品や医療機器の流通がより円滑に進むだろう。
ITネットワークでつながれば、迅速な対応ができる。

 

母子健康手帳という社会福祉の仕組みをビジネスにつなげることは、ひんしゅくものだが、日本企業が海外進出をするとき、この母子健康手帳の海外展開の手法が、ビジネスにも応用できるのではないか。

ただモノやサービスを売るだけが商売ではない。
消費者の生活を改善する。
それが企業の目的だと思う。

幼児に直接関係あるミルクメーカー、オムツメーカー、医療・薬品メーカーだけでない。
教育機関、衣料メーカー、IT企業。
母子健康手帳を媒体として、様々な企業が貧しい国々の衛生改善、医療改善に貢献できるはずだ。

 

2012年2月 8日 (水)

大臣人選の仕組み~面接が必要~

 

田中防衛大臣が野党からつるし上げられている。
防衛に関する知識がないとか、審議を無断で抜け出したとか、資質がないとか。
野党は野田総理大臣の任命責任を追及しようとしている。
新しい内閣ができると、いつも同じことができている。

こう繰り返し起きると、各省庁の大臣人選の仕組みに問題があるのではないか。

 

就職するとき、面接を受ける。
学歴や資格などの、履歴書だけでは分からないことがある。
性格、コミュニケーション能力、熱意など。
そういうものは、話してみて、初めて分かる。
そのために面接がある。

僕が勤めている会社では、管理職になる場合、面接がある。
職歴や資格の記録、論文を書く文章力など紙面だけで分からないことがある。
リーダーシップ、プレゼンテーション能力、交渉力、ビジネス・センス、考える力、企画力など。
そういうものは、話してみて、初めてわかる。
別の部門の管理職や、人事部、さらに経営層をインタビューアとして面接を受ける。

 

総理大臣が各省庁の大臣を選ぶときには、とういうプロセスを踏むか。
誰にも相談せず、議員リストを眺めて一人だけで選ぶ総理大臣もいた。
党の有力者と相談しながら選ぶ総理大臣もいる。
官房長官と相談しながら選ぶ総理大臣もいる。

そのあと、人選した議員に対し、総理大臣から、電話一本で大臣任命の連絡が入る。
面接もなにもない。
それではたして、相応しい大臣を選ぶことができるのだろうか。

国会審議や、党内の議論、政治活動を人選の根拠とするのだろう。
しかしそれだけで100名以上の議員の能力を評価できるか、疑問である。
政治経験が短くても、省庁のトップに相応しい人が目立たない場合もある。
話して初めてわかることがある。

どういう信条を持っているか。
管理能力があるか。
危機意識を持ってるか。
自己表現能力があるか。
野党と渡り合うだけのディベート力があるか。
党の政策方針に賛成か、反対か。
判断力や決断力があるか。
政策に詳しいか、詳しくなくても理解する能力があるか。

そういうものは、話してみて初めてわかる。

大臣人選にも面接が必要だ。

選挙後や、内閣解散後には迅速に組閣しなければならない。
面接時間をひねり出すことは難しい。
そうはいっても、組閣後何か月、何年も国政を遂行しなければならない。
直接会って、その人間性を見極めて、大臣にもっともふさわしい人を選ぶべきだ。

政治家の「身体検査」(贈収賄や、特定の団体に対する癒着や、不正な政治資金などの疑惑がないか)をする以上に、大臣としての能力をまず見極めるべきだ。

そうすれば、組閣の度に、「大臣失格だ!」と野党から糾弾されるリスクは低くなる。
それ以上に、政治が円滑に進む。

2012年2月 6日 (月)

IT業界と栄枯盛衰

 

インターネットが一般消費者に普及し始めたころ、ブラウザと言えば、Netscapeだった。
やがてMicrosoftがInternet ExploreをWindowsのバンドル製品として出し始めると、Netscapeは衰退した。
その後、Yahooが検索ソフトのトップだった。
当初MicrosoftがYahooから検索ソフトのシェアを奪おうとしていたが、Googleが今は検索ソフトのトップとなった。
今やYahooはMicrosoftから買収を働きかけられている。

パソコンやサーバの世界も、先導者が次々様変わりしている。
IBMはパソコン事業を中国企業のレノボに売り渡した。
一時期トップだったコンパックはHPと合併した。
ゲートウェイは台湾のエイサーに買収された。
今やパソコン業界は、HP、デル、台湾のエイサー、レノボの順となっている。
台湾、中国が台頭している。

サーバー業界も、UNIXを世界に広めたサン・マイクロシステムズは今はOracleに買収されてしまった。

これらはたかだか20年か30年くらいの間に起きたことだ。

IT業界は、他の業界に比べて変動が大きい。
ほんの数年前までは世界トップシェアと言いながら、身売りしたり、買収されたりする。

今後、スマートフォン、タブレット端末が普及するとIT業界の勢力図がどのように変わるか、予測がつかない。
携帯電話分野では、米国のビジネスマンの誰もが使っていたブラックベリーや、欧州で強かったノキアはスマートフォンに乗り遅れている。
スマートフォン、タブレット端末では、Appleやサムソンが強いが、これもどうなるか分からない。

その中でも変わらないことがある。

一つはAppleは、IT業界で独自路線を貫いている。
もう一つは、日本企業はまだ生き残っている。

ただしこれもどう変わるか、分からない。

Appleを引っ張ってきたスティーブ・ジョブス氏が亡くなった。
今後、Appleが競合他社とは異なったコンセプトを打ち出せることができるか分からない。
その意味で、ソニーがAppleを凌駕するチャンスがある。

日本の大手IT企業の勢力図もどうなるか、分からない。
ハードでいえば、NEC、富士通、東芝、ソニー・・・。
この中で、どこかがパソコン部門やサーバ部門を身売りするかもしれない。

システム・インテグレーター(SIer)もどう変わるのだろうか。
日立や東芝は、重電部門、家電部門を持っているので、IT部門を切り離すことはしないだろう。
これからスマート・グリッドの時代となるにあたって、ITC(Information and Communication Technology:情報と通信に関連する部門)はなくてはならない。
ハードを含め、総合的なシステムを提供できる。

NEC、富士通はSIそのもので会社が成り立っている。
野村総研もハードは作っていないが、あなどれない。
これらは、どこの業界や業種、企業と組むことができるだろう。

今後のクラウド・コンピューティング、スマート・グリッドの時代、どう変わるか。

NTTデータ、楽天の動きが、気になる。

 

2012年2月 4日 (土)

EVと送電線解放

 

日本のものづくりが衰退していると言われている。
電機メーカーは軒並み赤字見込みだし、貿易収支も赤字となった。
みんな悲観的になりがちだが、はたして悲観的になる必要があるのだろうか。

2012年1月30日付け日経ビジネスの特集は「走り出すEV産業」。
電気自動車によってさまざまな商機が生まれる。
それと同時に、電気自動車には日本の技術力の神髄が集約している。
蓄電池、モーター、コンピューター制御、そして自動車でんそのもの。
品質、効率、コストは日本のお家芸だ。

それは自動車業界だけでなく、電気メーカー、部品メーカー、住宅メーカー、携帯電話会社、IT企業などに新しい商機をもたらしている。

ドイツや米国でもEV産業は起きているが、日経ビジネスを読む限りは日本のEV産業には希望がある。
EV産業は、日本を再生する可能性がある。
EV産業が社会の隅々まで浸透する必要がある。
充電スダンドがいたるとろにできたり、電気自動車の電力を住宅の電源としたり。

そんなEV産業を発展させるためには、送電線解放が一つのキーワードになるのではないだろうか。
電力会社の思惑に左右されない送電ネットワーク。

今の送電網は、電力会社が独占している。
いわば鉄道だ。
レールの上を走る電車は限られている。
JRのレールだったら、JRの電車しか走ることができない。
乗り入れ電車はあるが、それもJRと調整してのことだ。

その送電網を道路にする。
道路には、国道、道府県道、市町村道など、管理しているところが異なる。
それでも道路を走る車は、交通規則を守っている限りは、どこででも走ることができる。

送電網敷設も電力会社に限定しない。
さまざまな事業者に送電網敷設を認める。

たとえば、水道局、ガス会社は地下にパイプを持っている。
そのインフラを使って、送電網を敷く。
あるいは、電話会社が立てている電柱がある。
その電柱を借りて、電力を送る。

そうすれば、電力会社の都合によらずに、送電網ができる。
充電スタンドがいたる所に建設できる。

EV社会とするためには、今までの既得権益や規制を撤廃する。
それくらいの思い切った発想が必要だ。

 

2012年2月 3日 (金)

電機メーカー損益見込みと「社会保障と税の一体改革」

 

シャープ、ソニー、パナソニック、NEC、・・・
電機メーカーの2012年3月期の純損益の予測が軒並み赤字見込みだという発表が続いている。
東日本大震災、タイの大洪水、韓国・中国など新興国企業の台頭、円高、欧州信用不安・・・。
各社はこれ以上の損失を回避するため、国内の工場を閉鎖し、海外へ生産拠点を移転する動きを強めている。
自動車メーカーでも同様な動きになる。

生産拠点が海外へ移転すると、国内の従業員が余剰となる。
国内コストを低くするため、賃金も抑えられる。
採用人員も抑える。
余剰人員の解雇も増える。

電機メーカーに納入している部品メーカーや素材メーカーも、納入先から海外移転を求められる。
国内であっても、部品や素材も品数が減ったり、納入金額を値下げするよう求められる。
部品メーカーや素材メーカー、金型メーカーなどの経営継続が難しくなる。

販売店も、国内で売れなくなり経営が悪化する。

家庭では、収入が低くなり消費が抑えられる。
解雇されたり、就職できない人が多くなる。
生活保護や失業保険で生活する人が増える。

子供の出産も少なくなる。
独身の場合収入が減ったりなくなったりして、結婚したくても結婚できない環境になる。
人口減少、少子化がさらに進む。

消費者の絶対数が少なくなり、消費者の収入が低くなると、、消費自体がさらに収縮してしまう。
消費者はできるだけ安い商品を買うようになる。
商品を買いたくても、買えない人が増える。
消費税をいくら上げても、期待していた消費税が国庫に集まらなくなる。

昨年の貿易収支は貿易赤字となった。
一時的なできごとなのか、恒常的になるのかは今は分からない。
今後、国内にある資金で国債を賄えなくなることを、仮説の一つに加えるべきだ。

TPP参加が、解決策の一つになるかもしれない。

民主党は、「社会保障と税の一体改革」を訴えている。
消費税をアップし、社会保障に充填しようとしている。
ところが今の経済状況だと、民主党が目論んでいる消費税が集まらなくなる。
そうなると、「社会保障と税の一体改革」の前提が崩れてしまう。

民主党の一部やみんなの党は、経済状況が今のような厳しい中、消費税アップは国民の支持を得られないという。
ところが今の経済環境を見ると、今のように経済対策を何もしないと、将来日本経済がよくなるとは思えない。

消費財アップは今よりさらに難しくなる。
そうなると後の祭りで、消費税も上げられず、社会保障の仕組みも瓦解し、日本経済は衰退の一途をたどることになる。
消費税アップに反対するのならば、同時に経済対策も提案しなければならない。

民主党だけでなく、政治家はそういう危機感を持っているのだろうか。
消費税アップに反対している議員や政党もあるが、そういう人たちは今の日本企業の経営状況を見て、将来の社会保障の仕組みが成り立つと、証明できるのだろうか。

社会保障は、厚生労働省、消費税は、財務省、経済は、経済産業省、少子化対策は総務省少子化社会対策会議、高齢化対策は総務省高齢社会対策会議というような縦割りでは解決しない。
そういう垣根をなくして、総合的に考えていかなければ、解決できない。

今の国会の議論を見ると、そういう総合的な視点で議論できる政治家がいないように思える。

 

2012年2月 1日 (水)

沖縄防衛局長有権者リスト問題と個人情報

 

沖縄防衛局長が有権者リスト作成を沖縄防衛局総務部に依頼し、作成された有権者リストをもとに、職員やその親族に対し講話を行った。
沖縄防衛局総務部総務課人事係係が各部庶務担当者にあてたメールの内容が、衆議院予算委員会で公開された。

全文ではないかもしれないが、以下がその内容。

「各部庶務担当者殿
お疲れ様です。
次の調査に協力をお願いします。
現在、人事係においては、宜野湾市に在住する職員については、把握しているところでありますが、職員の親族等が宜野湾市に在住しているか否かについては把握していないことから、下記の件について調査を依頼したいと思います。

○当局職員の宜野湾市に選挙権を有する親族(家族、いとこ、親戚)がいる者の状況について各部等庶務担当者は、別添のファイルに、(1)宜野湾市在住の職員及び(2)宜野湾市に選挙権を有する親族(家族、いとこ、親戚)状況を調査し、例のとおり記載して、1月6日までに人事係に提出願います。

沖縄防衛局総務部総務課人事係」

 

1.個人情報であるという認識がない

家族、いとこ、親戚の情報は個人情報である。
親、兄弟、叔父叔母、いとこ。
防衛省に勤めている人はどのくらいだろうか。
防衛省とは直接関係ない人のはずだ。
その個人情報を、本人の了解なく収集している。

2.個人情報の利用目的が記述されていない

企業でも、アンケートや懸賞で個人情報を扱う場合、
「集めた個人情報は、○○以外には使用しません」
と、個人情報を集める目的を明確にし、利活用を制限している。
あとでわかることだが、最初の防衛局総務部のメールには、集めた個人情報の利用目的が明確に書いていない。

3.「選挙権を有する親族」という文面に疑問を感じなかったのか

個人情報の利用目的はメールには書いていないが、集める情報には「選挙権を有する」と書いてある。
20歳未満の親族の個人情報は集めていなくていいことになっている。
もし、自分の勤めている会社がこのようなメールが人事部から流れてきたら、選挙目的のメールだとすぐにわかる。

4.職員に関係ない人まで行動を拘束している。

先のメールの後、沖縄防衛局総務部総務課人事係からのメールには、局長からの講話を実施するので、対象者は「必ず聴講するよう」通知した。
これは命令だ。
職員ならまだしも、親族、いとこの行動まで拘束している。
しかも講話の日時は、
1月23日(月)16時~
1月24日(火)10時~
平日の日中だ。
職員にとって、聴講することは、職務なのだろうか。
親族やいとこは、仕事があるだろうに、平日の日中に出席しなければならないのだろうか。

総務部は、そういう疑問を持たなかったのか。
選挙にかかわることだということを分かって、メールを出したのか?
受け取った人も、何も疑問に思わなかったのか?

僕は、勤めている会社に、親族の連絡先を登録している。
それはあくまでも、緊急連絡先が目的だ。
それ以外には、用いられない。
もし僕が務めている会社の人事部から、今回のようなメールの内容が来たら、うちの会社がおかしいと思う。

企業ばかりでなく、裁判でも、自治体でも、個人情報の扱いには、その漏洩や濫用がないよう、神経を使っている。
それなのに、である。

国会では、政府関係者は選挙的中立でなければならない。
それを犯していたならば、それはそれで問題だ。
それ以外に、国家の安全保障を預かる防衛庁が、職員ならまだしも、職員親族の個人情報を職権で集めている。
昔の特高でもあるまいし、これは怖いことだ。

蛇足だが、今回のメールは、ビジネス・ライティングとしてはいい点は取れない。
・「おつかれさまです」は不要。
・ 3つのこと(職員については把握している。親族については把握していない。調査を依頼する)が読点で繋がっているため、文がだららだとしている。
・ 「調査を依頼したいと思います。」の「思います。」は不要。
 
  「調査を依頼します。」で十分。
 

 

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